遺品整理は誰がやるべき?法的に片付け義務がある相続人について解説
人が亡くなった時は、遺品整理が必要になります。しかし、誰が行うものなのか、詳しく知らない人も多いでしょう。そこでこの記事では、遺品整理を誰がやるものか、作業を行う義務がある「相続人」について解説します。
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遺品整理は誰がやるもの?
遺品整理を行うのは、以下の該当者です。
- 法定相続人
- 指定相続人
- 相続財産清算人
- 賃貸物件の連帯保証人
それぞれについて解説します。
法定相続人
遺品整理は、基本的に法定相続人が行います。法定相続人とは、民法により定められた相続人のことで、遺言書がない場合は、故人の財産などの所有権は自動的に法定相続人に引き継がれるため、遺品整理も行わなくてはなりません。法定相続人は主に配偶者がなり、配偶者以外は以下の順位により順番に相続権が渡ります。
- 第1順位:故人の子ども
- 第2順位:故人の両親・祖父母
- 第3順位:故人の兄弟・姉妹
指定相続人
遺品整理を行うのは、指定相続人の場合もあります。指定相続人とは、遺言書により故人から指定された相続人のことです。遺言書には法的拘束力があるため、指定された人物が親族ではない場合でも財産を引き継ぐことになり、遺品整理の義務も発生します。
相続財産清算人
遺品整理を行う義務があるのは、財産の所有権を持つ相続人です。しかし、相続人は故人の財産だけでなく負債も引き継がなくてはいけないため、負債額が大きい場合は「相続放棄」をして、遺産の所有権を手放せます。相続人全員が相続放棄をすると遺品や財産の管理をする人がいなくなるので、この場合は家庭裁判所で相続財産清算人を選定して、遺品整理などを代わりに行ってもらうことになります。
賃貸物件の連帯保証人
遺品整理は、基本的に相続人が行うものです。しかし、故人が賃貸物件に住んでいた場合は、賃貸契約の連帯保証人にも、遺品整理を含む部屋の清掃と復元、賃料の支払いなどの義務が発生します。相続人と連帯保証人が同一人物の場合、相続放棄をしても連帯保証人としての義務は放棄できないので、遺品整理を行わなくてはなりません。
相続人が複数いる場合は誰が遺品整理する?
相続人が複数いる場合は、主に以下の該当者が遺品整理を行います。
- 故人に最も近い親族
- 故人の住宅を相続した人
それぞれについて解説します。
故人に最も近い親族
相続人が複数いる場合は、遺品整理も全員で行うのが望ましいです。しかし、複数人で行うのは現実的に厳しい場合があり、基本的には故人に最も近い親族が主体となって遺品整理を行う場合が多くなります。例えば、配偶者と故人の子どもで遺産分配をしている場合は、配偶者が主体となって遺品整理を行うのが一般的です。
故人の住宅を相続した人
相続人が複数いる場合は、故人の住宅を相続した人が遺品整理を行うことも多いです。住宅を相続すると、家にある遺品の所有権も一緒に相続する場合が多く、遺品整理も行わなくてはなりません。ただし、遺言書の内容によっては、住宅を相続しても遺品の相続にはならない可能性があるため、遺産分配の際に確認する必要があります。
相続人が遺品整理できない場合は業者に依頼する
遺品整理を行うのは相続人ですが、相続人が作業をできない場合は、遺品整理の専門業者に依頼することもできます。業者に依頼をすると、手間や時間をかけることなく遺品整理を終えることができ、作業の負担がかからないのがメリットです。また、相続人が複数いると遺品整理でトラブルになる場合もあるため、業者に依頼をすると中立の立場から作業をしてもらえて、揉め事を回避しやすくなります。
遺品整理を誰がやるかは法律に従いましょう
遺品整理を行うのは、相続人です。相続人には、法定相続人と指定相続人の2種類あり、遺言書の内容次第で誰が遺産相続をするかは変わります。また、相続人が遺品整理をできない場合には、専門業者に依頼をするなどで作業を代行することも可能です。遺品整理を誰がやるかは、法律に従って適切に判断しましょう。